本記事では、ファンクショナルトレーニングの5大原則について解説していきます。
ファンクショナルトレーニングの原理原則ってけっこう忘れがちですね。
原則は今後も変わることがないトレーニングの土台になるものなので初耳の方も知っておいて損はありません。
✅ ファンクショナルトレーニングとは?
✅ ファンクショナルトレーニングの原則を用いたトレーニング方法は?
こんな疑問にお答えします。
ちなみに私は健康運動指導士として2011年からトレーナー活動しています。
もう10年目になりますので信頼性は高いと思います。
”ADIDAS FUNCTIONAL TRAINING認定トレーナー”というファンクショナルに特化した資格も保有していました。
【理論】ファンクショナルトレーニングとは?
ファンクショナルトレーニングをざっとお伝えするならば…
一言で表すとこんな感じ。
でも、一般的には「自重トレーニング」として認知されてるなーって思います。
間違ってはないけどファンクショナルトレーニングって重りを使う方法もあるんですよね。
ファンクショナルの意味からお伝えすると…
こんな意味があります。
ファンクショナルトレーニングの目的って?
その人によって「機能的」「実用的」って違いますよね。
✅ ご年配の方
✅ アスリートの方
それぞれに当てはめると以下の感じ。
✅ ご年配の方 ⇒ 「日常生活を動きやすく」「リハビリ」
✅ アスリート ⇒ 「パフォーマンスUP」「怪我予防」
それぞれの目的によりけりでファンクショナルな意味が変わります。
ファンクショナルトレーニングってけっこう曖昧な用語なんですよね。
「ダイエットのためにファンクショナルトレーニングをします!」
これだと違和感があります。
ファンクショナルトレーニングは重力を活用したエクササイズ
マシントレーニング以外は全て該当するんですが、ファンクショナルトレーニングでは「重量」を特に意識します。
日常動作も動きの質もスポーツのパフォーマンスも基本は重力下で動くことになります。
ファンクショナルトレーニングの例
ファンクショナルトレーニングの例をいくつか紹介しますね。
■高齢者に向けたファンクショナルトレーニング
おすすめのトレーニングメニュー➡「スクワット」
下肢の筋力が向上して日常生活のクオリティが向上しますね。
■腰を痛めやすい方に向けたファンクショナルトレーニング
おすすめのトレーニングメニュー➡「デッドリフト」
筋力と正しいフォームでぎっくり腰を予防できそうです。
おすすめのトレーニングメニュー➡「ジャンピングスクワット」
共通するのは動きの悩みを前提にしてトレーニングを考える点と重力が発生するトレーニングであるという点です。
ファンクショナルトレーニングの5大原則とは?
ファンクショナルトレーニングは5つの原則があり、この原則に則ることで「機能的なトレーニング」を行うことができます。
② 分離と共同を意識する
③ キネティックチェーンを意識する
④ 3面運動で構成する
⑤ 力の吸収と発揮を活用する
それぞれ確認していきましょう。
①重力を利用する
先ほどもお話しましたが、ファンクショナルトレーニングでは重力を活用します。
人は、地球の重力を常に受けているので「機能的」に動くためには重力に逆らう必要があります。
その重力を使ってトレーニングすると日常生活やスポーツにも活きてきます。
例えばジャンプ動作は分かりやすいですね。
自分の体重を重力に逆らって空中に持ち上げる動きです。
ジャンプは「ファンクショナルである」と言えます。
逆にファンクショナルではない動きは「マシントレーニング」とかです。
ケーブルに繋がってますので重力を活用しているとは言い難いですね。
②分離と共同を意識する
関節の役割として大きく2つあります。
・固定する
可動する関節を「モビリティ関節」
固定する関節を「スタビリティ関節」と言います。
それぞれの関節の役割を意識してトレーニングを構成する必要があります。
⇒可動域を広げたい運動なのか、固定させたい運動なのかを考えて構成します。
⇒動く関節、固定する関節を明確にして動作を作ります。
ゴルフのスイングであれば、膝の関節は「固定」して体幹は大きく「可動」します。
固定する関節と可動する関節をハッキリさせて意識して動きましょう。
③キネティックチェーンを意識する
一つの筋肉で行う事ができる動作はほぼありません。
ほとんどがいくつかの筋肉が連動して動いています。
「ボールを投げる」動作であれば…
・身体を支える体幹
・踏み込みで足腰
複数の筋肉の連動です。
④3面運動で構成する
人の動きを分割すると3つに分ける事ができます。
・真横から見た状態(矢状面)
・正面から見た状態(水平面)
動きの課題がどこにあるのか分析してトレーニングをプログラミングしましょう。
「大きく踏み込むために股関節の柔軟性と踏み込み力UPのため足のトレーニングをしましょう!」
という流れになります。
⑤「力の吸収」と「力の発揮」を活用する
いくつか例えてみますね。
■ジャンプ動作
「飛ぶ」⇒力の発揮
■ボールを投げる動作
「投げる」⇒「力の発揮」
イメージとしては「大きな力を出すためにため込む」という一連の動作を大事にする。
という意味です。
ファンクショナルトレーニングの考え方でメニューを作る
では、ファンクショナルトレーニングを組み立ててみましょう。
メニューを組むというのは「個人」に対して行うので万人に適応できるメニューはありません。
あくまで、ファンクショナルトレーニングを活用したメニュー作成のイメージを掴んでほしいと思います。
ファンクショナルトレーニングのプログラミング
メニューを組むことを「プログラミング」と言います。
トレーニングを何のために何をするかどう選ぶかを考え、そして納得してトレーニングを行えるよう理解するのが目的です。
例えばパーソナルトレーニングなどを受けている方は担当トレーナーがメニューをどう考え作成し実行しているかを理解することができると思います。
理解した上でトレーニングするのは運動効果にもモチベーションにもいい影響をあたえます。
身体の状態をテストする
まずは身体の状態をテストします。
トレーニングメニューを作成する場合はまずテストをすることが多いです。
あなたの筋力は?
姿勢の左右のバランスは?
そんなことが分かります。
そこでめちゃくちゃ便利なのが「オーバーヘッドスクワット」です。
バンザイして、しゃがむ動作で身体の状態をチェックします。
オーバーヘッドスクワットの流れ
以下の流れに沿ってぜひやってみてください。
② 膝、つま先を斜め前に向ける
③ 両手を万歳して、腕が耳に付くように挙げる
④ そのままゆっくり太ももが平行になるまでしゃがむ
⑤ 立ち上がる
⑥ 何回か繰り返し癖を探す
オーバーヘッドスクワットで癖をあぶりだします。
例えば…
・腕を耳に付けたままキープできない
・体重が右足に寄っている
・膝が内股になる
メニューを作成する
例えば、オーバーヘッドスクワットを矢状面(横から見る)から確認すると「深くしゃがめない」ことが分かりました。
原因はおそらく「股関節」と「お尻の筋肉」にあると推定されます。
ではトレーニングの流れとして…
② 股関節のストレッチ&リリース
③ スクワットトレーニングを実施
こんな流れのメニューを作成しました。
サクッと紹介しましたが、イメージがつかめればOKです。
ファンクショナルトレーニングの後は、たんぱく質がダイジ
ファンクショナルトレーニングのような比較的低負荷(低重量という意味)のトレーニングの場合、なぜかたんぱく質の摂取をしない方が多いです。
実際しっかり動くとめちゃくちゃ筋肉痛になります。笑
それだけ筋肉がダメージを負っている証拠ですのでダイエット目的であったとしてもプロテインなどたんぱく質は摂った方がいいです。
ファンクショナルトレーニング5大原則のまとめ
ファンクショナルトレーニングの5つの原則は以下の通り。
② 分離と共同を意識する
③ キネティックチェーンを意識する
④ 3面運動で構成する
⑤ 力の吸収と発揮を活用する
それぞれの視点を活用してトレーニングを作成したり、実際にやってみたりすることが重要です。その視点でトレーニングする事がファンクショナルトレーニングということです。
身体の機能面にフォーカスして動きやすい身体や、怪我をしない身体を作って日々の生活に役立てていただければ幸いです。
正直、実際に指導を受けないと腑に落ちないことばかりです。
ぜひトレーニングジムなどのトレーナーに指導をうけてみてほしいなと思います。